みなさんは『36(サブロク)協定』という言葉を知っていますか?
聞いたことがないという方もおられるかもしれませんが
働く上で、この『36(サブロク)協定』はとても重要なので是非覚えておきましょう。
36(サブロク)協定って何?
『36(サブロク)協定』とは
会社側と従業員側が結ぶ残業に関する取り決めのことです。
労働基準法第36条に定められた労使協定であることから
通称『36(サブロク)協定』と呼ばれています。
『36(サブロク)協定』を結ばないと、会社側は従業員に対して残業をさせることができないのです。
「残業はしているが、そんな協定結んだ覚えはないッ!」
と思われる方もおられるかもしれません。それもそのはず
この協定は従業員一人一人と結ぶものではなく、
労働者の過半数で組織する労働組合や労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者が結ぶとされていますので
一度、働いている会社に確認されてみてください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf
残業(時間外労働・休日労働)の上限
もちろん、『36(サブロク)協定』を結んだとしても
残業(時間外労働・休日労働)の時間には上限があり
月45時間、年間360時間と定められています。
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)の上限
臨時的な特別な事情がある場合は、定められた範囲内で残業の延長ができます。
(予算・決算業務、ボーナス商戦に伴う業務の繁忙、納期のひっ迫、大規模なクレームへの対応、機械のトラブルへの対応など)
- 時間外労働が年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計が月100 時間未満
- 「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80 時間以内
- 月45時間の限度時間を超えることができるのは、年6か月が限度
自動車運転者業務の場合(2024年4月から)
「自動車運転者業務」とは
【トラック】【タクシー・ハイヤー】【バス】の運転にたずさわる業務のことをいいます。
この「自動車運転者業務」は渋滞や荷積み荷下ろし待ちなど様々な観点から
時間外労働は年960時間とされています(注意)!
2024年3月31日までは「自動車運転者業務」に上限規制がなかったため、
残業代で収入アップを期待できる反面、長時間労働が常態化していました。
時間外労働の上限が設けられることで
トラックドライバーの過酷な長時間労働を緩和していく狙いがあります。
しかし良いことばかりではなく、上限ができたことで様々な問題が心配され、
その問題のことを『2024年問題』と言います。
2024年問題について←詳しくはこちら
36(サブロク)協定に違反したら?
上限を超えて労働をさせた場合には、
労働基準法違反として、会社側は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
そもそも法律で定められた労働時間(法定労働時間)は?
『36(サブロク)協定』を結んでいない場合、
原則として
1日8時間、1週40時間と定められています。
また会社側は従業員に対し少なくとも週1日、もしくは4週間を通じて4日以上の休日を与える必要があります。
まとめ
従業員側はあまり意識せずに残業や休日出勤をしている方もおられるかもしれません。
しかし、残業にもしっかりと法律で上限が設けられていて
違反をすれば会社側は罰せられます。
従業員側と会社側は、この『36(サブロク)協定』を理解した上で
時間外労働や休日労働と向き合っていく必要があるでしょう。
そして企業側は、たとえ『36(サブロク)協定』の範囲内であっても、
労働者に対し安全な環境で働けるように配慮しなければなりません。
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